リコーダーJP G. サンマルティーニ


ソナタ ニ長調
シブレー写本 第16番


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RJP応援チャンネル「リコーダーの底力」

★この曲を収録した伴奏音源つき楽譜★
ダウンロード製品 620円(税込)
2290 リコーダー用 1800円+税



★解題★

 サンマルティーニの通奏低音つきソロソナタばかり27曲を集めた、「シブレー写本(Sibley Manuscript)」と呼ばれる筆写譜があります(ロチェスター大学所蔵)。このうち15曲がリコーダー用のソナタで、最大の数を占めています。(ほかはオーボエ用、ヴァイオリン用、横吹きフルート用など。)

 サンマルティーニのリコーダー用ソナタの出版作品はあまりたくさん残っていませんので、これが貴重なソースになっています。


★解説★

 3つの楽章から成っています。すばらしく豊かな楽想を力強く展開していく、サンマルティーニの天才を遺憾なく発揮した名品です。

 第1楽章は4分の3拍子で、アレグロ(快活に)と指定されています。多彩なリズム型を駆使しながら堂々たる歩調で音楽を繰り広げるさまは、まさに大家の風格です。繰り返しのあと展開部へ進みますが、入り方の雰囲気といい、前半とは打って変わった激しい表現といい、のちに全盛となる「ソナタ形式」の音楽を先取っています。ただ「再現」はあまりはっきりとしたものではありませんが、それでいて前半の音楽が戻ってきたと感じさせるところが、かえって非凡なのかも知れません。

 第2楽章はニ長調の第1楽章に対して「同主短調」であるニ短調で書かれています。アンダンテ(歩くように)と指定され、8分の12拍子で、シチリアーノふうの音楽と言っても良いでしょうか。ただ内容的には、第1楽章が全体として晴朗な音楽だったのとは対照的な、暗い情緒の音楽で、大胆な転調を駆使しながら劇的に構成されています。

 第3楽章はアレグロ・アッサイ(非常に快活に)、4分の2拍子です。同じ長調の音楽でも、第1楽章がどっしりした歩みの音楽だったのに対し、非常にキビキビした運動性を持っています。最初のテーマの音楽が一息ついたあと14小節から登場するのは、まさしく「ソナタ形式の第2主題」の風格。そして繰り返しのあと後半は展開部に入り、半音階的な進行を効果的に使って怪しい盛り上げリをみせます。そしてわかりやすい再現へと進みますが、「第2主題の再現」が省略ぎみになっているのは、この時代の、いわば「プレ・ソナタ形式」の特徴のひとつです。


※演奏例がお聴きいただけます

第1楽章(C−2)
第2楽章(B−3)
第3楽章(C−2)

※カッコ内は指回り難度です。
※リコーダー演奏:
石田誠司  チェンバロ演奏: 石田誠司 (使用楽器はRJP所有のデジタルサンプリング音源)


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