リコーダーJP ペジブル作品
    


ソナタ 第9番 変ロ長調


Youtube のRJP応援チャンネル「リコーダーの底力」より
全曲の演奏(ノーカット)の試聴ができます。

★この曲を収録した伴奏音源つき楽譜★
ダウンロード製品  620円(税込)



★解題★

 フランス国立図書館(BnF)に、「ペジブル氏のソロ」と題された写本があり、そこにJ.ペジブルの通奏低音つきソナタ16曲(ほかに無伴奏二重奏曲など)が収められています。他にもペジブルのソナタの手書き譜はいくつかみつかっていますが、今のところBnFの写本の所収曲と重複する曲ばかりのようです。そこで、BnF写本で付されている通し番号を「ペジブルのソナタの番号」として用いることにしました。

 本作は主要3写本のうちBnF写本だけに伝わっています。 6つの楽章から成っています。第3楽章にアダージョ、第5楽章にグラーヴェ、第6楽章にプレストとあり、他の楽章には発想表示がありませんが、おそらく緩急緩急緩急と配置されているのだろうと思われます。どの楽章も充実した内容の快作です。

 第1楽章は発想表示がなく、4分の4拍子です。付点音符による跳ねるリズムを基調として、いくつかの調をめぐりながら歌い進めます。おだやかに始まりますが、途中にはいくらか激するような場面もあり、感情の移り行きが面白い佳品です。

 第2楽章は、4分の4拍子の、おそらく快速なテンポの、同音連打で始まる主題を扱うフーガのようなテイストの楽章です。緊迫感のある音楽を力強くくりひろげていきます。

 第3楽章はアダージョ(ゆっくりと)と指定され、4分の3拍子です。ト短調で始まり、半音階的に下降する低音に乗って哀切に歌います。後半はニ短調に転じて、はなやかな装飾を少々披露してニ短調のまま終止しています。可憐な間奏曲のような楽章。

 第4楽章は4分の3拍子で、おそらく快速に奏されるべき楽章です。通奏低音が4小節の前奏を奏して始まります。テーマは1小節間同音を連打しつつ1段ずつ音階を上がっていく仕組みで、途中からは16分音符の動きで飾りますが、結局主音から1オクターブ上の主音までゆっくりと音階を上がっていくという面白い趣向をみせます。

 第5楽章はグラーヴェ(重々しく)と指定された4分の3拍子のロンドで、柔和な表情をたたえた品のいい音楽です。ダカーポの指定にしたがって演奏すると、きれいにA(×2)−B−A−C−A−B−Aの形になります。

 第6楽章はプレスト(速く)と指定され、4分の9拍子です。いったい何拍子の曲の何拍目を聴いているのかわかりにくくなるトリッキーな語り口ですが、それもあいまって、愉快で胸のすくような爽快感のある終曲になっています。


★試聴ファイル★

リコーダー: 石田誠司 (ヤマハ YRA-801 使用)
通奏低音(電子楽器): 石田誠司  

※カッコ内の表示は「指回り難度」です。

第1楽章(B−2)
第2楽章(C−2)
第3楽章(B−3)
第4楽章(C−2)
第5楽章(B−2)
第6楽章(B−3)


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