ソナタ
変ロ長調 作品11-3
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★この曲を収録した伴奏音源つき楽譜★
ダウンロード製品 1860円 (税込)
★解題★
大英図書館に、ヴァレンタインの「チェンバロまたはバス・ヴァイオリンの通奏低音を伴うフルート(=アルトリコーダー)のためのソナタ 作品11」(J.
Walsh)という全6曲から成る刊本が保存されています。最初はローマで出たと思うのですが、そちらはまだ見られていません(どこにあるかわかりません)。1727年の出版といいますから、作曲者はすでに60歳に近くなっていたころの作品です。
★解説★
4つの楽章から成り、緩急緩急の構成です。ヴァレンタインの個性がよく発揮されており、充実した内容の佳品です。
第1楽章はアダージョ(ゆっくりと)、4分の4拍子です。通奏低音による4小節の前奏につづいて、すべり落ちるような音階的装飾句をふくむモチーフで始まります。通奏低音の間奏を挟んで、後半には三連符を用いるなどしてリズムに変化を与えながら歌い継ぎ、最後にアダージョ・ピアノ(ゆっくりと、弱く)となって静かに次の楽章を呼びながら終わります。
第2楽章はアレグロ(快活に)4分の2拍子で、晴朗にして軽妙なヴァレンタインの面目躍如とした楽章です。多数の16分音符が連続するようなことは避けながら、弾むように、たのしさ満載の音楽が進みます。
第3楽章は再びアダージョで、2分の3拍子です。ト短調を基調として、おもに高い音域で哀切に歌います。終わり近くになると「ナポリ6」を響かせるのは、壮年期以後のヴァレンタインが好んだ行き方。最後はフリギア終止になります。
第4楽章は8分の6拍子のジーグで、再びアレグロと指定されています。軽妙な楽しさいっぱいの曲ですが、後半に登場する短調のエピソードもくっきりと印象的です。かなり速いテンポで演奏するのもありそうですが、あまり猛スピードでなくても十分に楽しい終曲です。
※演奏例がお聴きいただけます
■リコーダーによる演奏
第1楽章(C−1)
第2楽章(B−3)
第3楽章(C−1)
第4楽章(B−3)
※カッコ内は指回り難度です。
※リコーダー演奏:石田誠司 (Takeyama, Brazilian Boxwood) チェンバロ演奏: 石田誠司 (使用楽器はRJP所有のデジタルサンプリング音源)
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