リコーダーJP R. ヴァレンタイン作品


ソナタ ト短調
パルマ写本第3番



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★この曲を収録したCDつき楽譜★
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★解題★

 イタリアはパルマ市「パラティーノ図書館(元のパルマ王立図書館)」に「Sinfonie di Roberto Valentini Inglese」と題された筆写譜があり、ヴァレンタインの通奏低音伴奏リコーダーソナタが12曲収められています。


★解説★

 本作は集中の第3番で、第1番・第2番に比べると小気味よい切れ味やスピード感を味わえる箇所が多くなっています。しかし、「♭ふたつ」という「ミ♭」がたくさん出てこざるを得ない調性であるわりに、ひどいクロスフィンガリングの箇所は多くありませんので、快速楽章でのテンポの速さを欲張らなければ、演奏上の技術的な困難はそれほど大きくないと思います。

 第1楽章はアダージョ(ゆっくりと)、4分の4拍子です。簡潔な主題は、2小節目で低音とユニゾンになるのが新鮮に響きます。この主題にいろいろな変化を加えながら丁寧に何度も扱っていきます。表情の微妙なうつろいが味わいどころでしょう。

 第2楽章はアレグロ(快活に)、4分の3拍子。ジグザグ音型による「ひとり2声部」の音型を多用した活発な感じの楽章です。主題を使い捨てずに存分に活用し、多彩なリズムを駆使してバランスよく曲が構成されており、たいへん気分よく演奏できます。

 第3楽章は再びアダージョで、平行長調・変ロ長調で書かれた、2分の3拍子のやすらかな感じの楽章です。終わり近くで少し独特な感じのヘミオラのあと、またも「アダージョ」の指定が出てくるのは、「もっと遅く」という(いわば meno mosso のような)指定ですが、原典では(誤って?)もう1小節前に書かれています。

 第4楽章は再びアレグロで、8分の9拍子のジーグふうの楽章で、ここでも主題には「ひとり2声部」の音型が含まれていて、ノリの楽しさは出色です。主題を十分に活用してキビキビと進む、引き締まった終曲となりました。


※演奏例がお聴きいただけます

■リコーダーによる演奏
第1楽章(B−3)
第2楽章(C−1)
第3楽章(B−2)
第4楽章(C−1)

※カッコ内は指回り難度です。
※リコーダー演奏:
石田誠司(アウロス509B)  チェンバロ演奏: 石田誠司 (使用楽器はRJP所有のデジタルサンプリング音源)


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