リコーダーJP R. ヴァレンタイン作品


ソナタ ハ長調 作品5−1


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★解題★

 「英国人ヴァレンタイン作 独奏フラウト(アルトリコーダー)と通奏低音のためのソナタ 作品5 第1部」(SONATA A FLAUTO SOLO COL BASSO /Roberto Valentine Inglese opera quinta parte prima) は、6曲から成り、1715年ごろにローマで出版されました。続いて1716年ごろにアムステルダムで、1718年ごろにロンドンでも出版されましたが、これらの版はさらに6曲を加えた12曲入りになっていました。(ということは、ローマ版にも本来「第2部」があったのかも知れません。)

 さすがに「音楽の本場・イタリア」でリコーダー奏者として活躍したというだけあって、華麗にして才気あふれる作風です。遅い楽章は華麗な装飾がほどこされていて、バルサンティの第2番ソナタなどとならび、イタリア・バロックの絢爛たる演奏様式を生き生きと伝えています。


★解説★

5つの楽章から成り、緩・急・緩・急の後にもうひとつ速い楽章を加えた構成です。

 第1楽章はアダージョ(ゆっくりと)、4分の4拍子です。第3番のソナタの場合ほどではなくとも、この楽章もかなり「このままでかっこいい」ように細かく音符が書き込まれている感じがします。

 第2楽章はアレグロ(快活に)、4分の4拍子で、フーガの手法で書かれています。途中、2拍遅れのカノンふうになったり、同じ調で応答する手法、さらには応答の開始を早める「ストレッタ」の手法など、対位法的な腕前を存分に発揮した中身の濃い楽章だといえるでしょう。本作の白眉。

 ※後記: 使われているテーマはコレルリのトリオソナタ・作品3−1の第2楽章・アレグロと同じです。おそらくコレルリに対するオマージュだったのでしょう。(2011.7.1.)

 第3楽章は再びアダージョで、4分の3拍子。ここでも装飾はある程度最初からほどこされた楽譜のように思われます。独奏部と低音が対話するように音楽が進みます。

 第4楽章は再びアレグロ、4分の2拍子のガボットふうの楽章です。付点のリズムが基調ですが、平坦なリズム、そして三連付も顔を出して変化をつけています。

 第5楽章もアレグロで、今度は8分の3拍子。短いながら、シンコペーション(アクセント位置をふつうの強拍からずらした拍にする手法)を使って面白い効果を挙げた、引き締まった終曲です。


※演奏例がお聴きいただけます

■リコーダーによる演奏
第1楽章(B−3)
第2楽章(C−1)
第3楽章(B−3)
第4楽章(B−3)
第5楽章(B−3)

※カッコ内は指回り難度です。
※リコーダー演奏:
石田誠司  チェンバロ(電子楽器)演奏: 石田誠司


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