リコーダーJP テレマン作品


ソナチネ ハ短調


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★この曲を収録したCDつき楽譜★

1026 リコーダー用 1800円+税
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★解題★

  テレマンには「6つの新しいソナチネ」という1730年か31年ごろの出版作品があることが知られていましたが、独奏パートの楽譜がコペンハーゲンの王立図書館に残っているのみで、バスパートは未発見でした。しかし、ドレスデンのザクセン州立図書館所蔵の手書き筆写譜の中に、第2番・ハ短調と第5番・イ短調が含まれているのがみつかり、Nikolaus Delius氏の校訂・解説を得て1996年に Schott社から出版されました。(以上の解説内容はSchott社版の序文によりました。)

 出版年代からみると『忠実な音楽の師』(1728〜9年)のすぐ後にあたり、ほかに『メト−ディッシュゾナーテン』(1728年・続編1732年)や『ターフェルムジーク』(1733年)などテレマンの代表的作品が次々と刊行されたころの作品だといえます。それだけに内容は充実しており、「ソナチネ」と名づけられているのとは裏腹に、テレマンのソナタの中でも最高峰に属すると言ってよいと思います。


★解説★

 曲4つの楽章から成っています。

 第1楽章はラルゴ(広々と)、8分の6拍子。ゆっくりした6拍子ですからシチリアーノかと思うと、少しノリが違うようです。リズム型・音型が多彩なテレマンらしい音楽で、緻密に構成されています。

 第2楽章はアレグロ(快活に)、8分の12拍子で、これはジークとみても良いでしょう。特徴的なシンコペーションの使用といいしっかりした構成といい、テレマンならではの一級品たるを失いません。

 第3楽章はドルチェ(やわらかに、甘く)、4分の3拍子。晴朗なテーマから始まり、さざ波のような16分音符のモチーフをたくみにさし挟んで、魅惑的に音楽が進みます。

 第4楽章はヴィヴァーチェ(生きいきと)で、4分の4拍子です。テーマはシンコペーションをふくむ躍動的なモチーフとトレモロ音型のモチーフからできていて、リコーダーの特性によく合ったものです。以後の展開部分も実にきちっと書かれていてスキのない出来ばえになっています。

 なお、この曲では全4楽章中、3つの楽章で(※注)、アルトリコーダーの正規音としては最高音である「高いソ」が使われているのが目を引きます。他の作曲家たちはまず使わないこの音を大半の楽章で使ったところに、リコーダーを愛しリコーダーを知り尽くしていたテレマンの面目が躍如としてはいないでしょうか。

 ※ 当初、「全楽章で」としていたのは誤りでした。(2024/1/26)

 また第4楽章に「ダ・カーポ」の指示がある以外、繰り返しに関する指示がみられないのも特徴で、このために演奏時間は少し短くなっていますが、もしふつうにリピートの指示があれば堂々たる長さの曲になっていたはずです。この意味でも、「ソナチネ」(小ソナタ)と名づけられてはいるものの、内容はたいへんりっぱなのもで、けっして小さな作品ではありません。


※ 演奏例がお聴きいただけます

■リコーダーによる演奏
第1楽章(B2)
第2楽章(C1)
第3楽章(B2)
第4楽章(C1)
※カッコ内の表記は指回り難度です
※リコーダー演奏: 庭野宏樹さん  チェンバロ(電子楽器)演奏: 石田誠司


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