リコーダーJP C. ロジエ


ソナタ イ短調
ベベル写本 第14番


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★この曲を収録したCDつき楽譜★
ダウンロード製品 620円(税込)



★解題★

 17世紀終わりごろのリコーダーソナタ 25曲を中心とする、チャールズ・バベルの写本(ロチェスター大学シブレー図書館所蔵)で、第14番として収録されているソナタです。


★解説★

 5つの楽章から成っています。第1楽章の最後の音が第2楽章の最初の音になるように書かれていますので、完全に続けて演奏することになります。第2楽章はかなり速いテンポが合いそうですので、第1楽章の1拍が第2楽章の1小節ぐらいになるような関係で演奏してみていますが、異論もあるかも知れません。

 第1楽章はアダージョ(ゆっくりと)と指定され、4分の4拍子です。主題は3小節から成り、これに含まれるいくつかの特徴的な音型をたくみに駆使して語る、短いながら洗練された開始楽章です。

 第2楽章はアレグロ(快活に)、4分の4拍子です。おおむね四分音符の動きで進む音楽で、かなり速いテンポが合うことになるでしょう。スピード感のある爽快な音楽で、ここでも、提示した主題・素材をきちっと使いこなしながら語り進めています。

 第3楽章はカンツォン、4分の4拍子です。内容的には比較的シンプルで、最初に主題を示し、つぎにもう1度示して多少の展開をみせ、次にホ短調に転じて主題を示し、またそれを繰り返したあと、間もなく収束に入ります。キビキビした表情の、印象的な楽章になりました。

 第4楽章はテンポ・ディ・ガボッタ(ガボットのテンポで)、2分の2拍子です。比較的高い音域でたからかに開始しますが、途中からはどうも下降志向が強まります。後半には5回ほども繰り返すゼクエンツがあって、「どこまで下がるの?」と思わされる瞬間もありますが、やがてまた身を起こして収束します。

 第5楽章は再びアレグロで、このころ(17正規末)によく書かれた4分の6拍子の終曲です。のちに大流行するジーグとは少し違う、骨太な力強い進行が特徴で、最後はいくらか早口にたたみかけるような音楽になって、全曲がしめくくられます。


※演奏例がお聴きいただけます

■リコーダーによる演奏
第1楽章(B2)
第2楽章(B3)
第3楽章(B3)
第4楽章(B3)
第5楽章(C1)

※カッコ内は指回り難度です。
※リコーダー演奏:
石田誠司 (全音 G-1A使用) 
 チェンバロ演奏: 石田誠司 (使用楽器はRJP所有のデジタルサンプリング音源)


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