-----------------------------------------------------------------------  リコーダーJP メールマガジン                          125号 2018. 2. 24. ----------------------------------------------------------------------- ★ごあいさつ★    かなり光が明るくなってきたのは感じます。春はもうすぐ、でしょうか。  みなさまお元気でお過ごしでしょうか。  いつもご愛読ありがとうございます。RJPメールマガジン、第125号をお届け いたします。 RJP刊行物総合カタログ(2017年秋冬号) http://www.recorder.jp/rjpcatalogue.pdf ■目次■  <ごあいさつ>  1 祝!30回 コンサート [太田光子 平井み帆] (2018/2/25 東京)[再掲]  2 ダブルトリオ演奏会 [鈴木俊哉] 2018/3/3 東京  3 4組によるジョイントコンサート [consono] (2018/3/17 和歌山)  4 神に捧げるデュオ (2018/3/20 東京 ほか)[再掲]  5 リコーダーによる無伴奏チェロ組曲 [早川廣志] 2018/3/21 大阪  6 トリオソナタの楽しみ [安井敬 庄司祐子] 2018/3/25 東京  7 そう楽舎 土蔵deバロック Vol. 11 2018/3/30 大阪  8 そう楽舎 咲くやこの春 花の都に心よせて 2018/3/31 奈良  9 2018年3月の新刊 10 編集後記 ……………………………………………………………………………………………… ★1 祝!30回 コンサート [太田光子 平井み帆] (2018/2/25 東京) [再掲] ………………………………………………………………………………………………  ご存知、最高の評価を受け続けてきた太田光子先生と平井み帆さんの黄金コン ビの、アニーバーサル・コンサートです。得意のイタリア初期バロックを中心と するプログラム。 http://www.recorder.jp/events/180225.htm ……………………………………………………………………………………………… ★2 ダブルトリオ演奏会 [鈴木俊哉] 2018/3/3 東京 ………………………………………………………………………………………………  リコーダー奏者・鈴木俊哉氏のほか、笙、箏の「古楽トリオ」に、ヴァイオリ ン、オーボエ、ギターのトリオを加えた「古楽アンサンブル」が出演する新作と テレマンのコンサート。 http://www.recorder.jp/events/180303.htm ……………………………………………………………………………………………… ★3 4組によるジョイントコンサート [consono] (2018/3/17 和歌山) ………………………………………………………………………………………………  和歌山市のLURU HALL主催のコンサート。大阪の安江桜子さん、神戸聖愛教会 の小栗献さんら5人の仲良し奏者のユニット consono が出演します。ほかに ピアノ、フルートアンサンブル、朗読など。 http://www.recorder.jp/events/180317.htm ……………………………………………………………………………………………… ★4 神に捧げるデュオ (2018/3/20 東京 ほか) [再掲] ………………………………………………………………………………………………  オランダの巨匠ケース・ブッケ氏と、弟子のリコーダー奏者・辺保陽一氏の 師弟によるデュオ・コンサートのツアーです。つくば(3月20日)、東京(3月24 日に2公演、大阪(3月31日に2公演)で、計5公演。 http://www.recorder.jp/events/180320.htm ……………………………………………………………………………………………… ★5 リコーダーによる無伴奏チェロ組曲 [早川廣志] 2018/3/21 大阪 ……………………………………………………………………………………………… リコーダー奏者・早川廣志氏が永年取り組んできているバッハの無伴奏チェロ組 曲、いよいよ全曲演奏が行われます。3月21日に第1回(1・4・5番)、7月22 日に第2回(2・3・6番)。いずれも1日2回公演です。 http://www.recorder.jp/events/180320.htm ……………………………………………………………………………………………… ★6 トリオソナタの楽しみ [安井敬 庄司祐子] 2018/3/25 東京 ……………………………………………………………………………………………… リコーダー奏者、安井敬氏・庄司祐子氏が出演する、トリオソナタを中心とする コンサート。午前中には未就学児OKのファミリーコンサートも行なわれます。 http://www.recorder.jp/events/180325.htm ……………………………………………………………………………………………… ★7 そう楽舎 土蔵deバロック Vol. 11 2018/3/30 大阪 ………………………………………………………………………………………………  バロックオーボエ&リコーダー奏者・赤坂放笛さんが主宰ざれる演奏会です。 江戸時代中期に建造された土蔵「萬次郎蔵」でのコンサートで、2013年に初めて 行なわれ、今回が第11回とのことです。 http://www.recorder.jp/events/180330.htm ……………………………………………………………………………………………… ★8 そう楽舎 咲くやこの春 花の都に心よせて 2018/3/31 奈良 ……………………………………………………………………………………………… バロックオーボエ&リコーダー奏者・赤坂放笛さんの「そう楽舎」の公演。横 吹きフラウトの太田里子さん、そして関西一の売れっ子チェンバリスト吉竹百合 子さんらが共演です。RJP後援。 ……………………………………………………………………………………………… ★8 2018年3月の新刊 ………………………………………………………………………………………………  3月は2タイトル(+1)がリリースになります。(+1は同一内容のA5版 製品です。) ■マンチーニ アルトリコーダーソナタ 第5番 http://www.recorder.jp/piece/2/2189.htm  5つの楽章から成り、ニ長調(#が2つ)であるために指づかいが難しい箇所 もありますが、緩徐な楽章の叙情的な魅力、快速なフーガ楽章の爽快感、そして 軽妙な終曲まで、スキのない出来栄えで、マンチーニの12曲のソナタ中でも屈 指の名品。 ■リコーダー音楽叢書 ヴァレンタイン ソナタ集 第4巻 http://www.recorder.jp/classic/sr/sr095.htm  ヴァレンタインのソナタは、コレルリの伝統を受け継ぐ華麗な装飾と軽妙軽快 な運動性が魅力です。「作品5」のソナタ集から第10番〜第12番を収録。 ……………………………………………………………………………………………… ★9 編集後記 ………………………………………………………………………………………………  作曲家・西部哲哉氏の作品「リコーダー四重奏のためのディヴェルティメント 第2番」(2017年5月 弊社刊)が、全日本リコーダーコンクールに出場する北海道 の中学校チームに採用され、北海道大会では金賞、全国大会でも演奏されること になったそうです。  なかなか買ってもらえないし、演奏してもらえないなぁ、と思いながらも、出 版人として「新作の出版」にも思い入れがあるゆえに、及ばずながら、できる限 りは続けてきました。それだけに、こういう話にはたいへん勇気づけられます。  また、作曲者西部先生も、「アマチュアが演奏してくれることに強い喜びを感 じるようになった」とおっしゃっていて、これまた頼もしく思いました。従来、 西部先生の作品は、音楽としてはとてもいいのですが、概して演奏がちょっと難 しくて、アマチュアには大変だな・・・ということも多かったので、「心を入れ 替えた。これからはアマチュアのために書きたい」とまでおっしゃってくださっ たのには、ちょっと驚きました。しかし、同時に、わが意を得た思いで、ほんと うに嬉しいことでした。 「作曲家とアマチュア愛好家の間の幸福な関係を再建したい」というのが、この 仕事を始めるにあたっての、当初からの私の願いでしたから。  その意味では、西部先生の「ディヴェルティメント 第1番」は、いい曲だけ れど、いささか演奏が難しすぎるきらいがあったのですが、「第2番」では、か なり配慮がなされて、アマチュアでも「うんと頑張れば手が届く」というところ まで来ていました。まさに、ちょうど「コンクールピース」として手ごろなくら いになったわけです。そして、こんど夏に出版予定の「第3番」は、ほんとうに 平易な曲になりました。しかも質的にはまったくすばらしいもので、吉澤先生も 大絶賛の作品になっています。乞うご期待。  *   *   *   *   *   *   *   *  もともと、私が「バロックのリコーダー作品」に注目したのも、それらの多く が、アマチュア愛好家と作曲家たちとの幸福な関係から生まれた作品だったから です。  作曲家たちは、平素は主人(雇い主としての教会や宮廷など)に課せられる仕 事をしていましたが、「たまには」というわけで、市井のアマチュア愛好家たち を対象とする小規模楽曲を作曲し、出版しました。その典型が、リコーダーのた めの独奏曲や重奏曲だったのです。  対して、これに続く19世紀(いま演奏会で最も人気がある諸作品が書かれた のはこの時代)は、「ヴィルトゥオーゾ」がもてはやされた、公開演奏会の時代 でした。音楽シーンは一変し、一流作曲家たちのこれぞという作品は、みんなプ ロにしか弾けない難しいものばかりになってしまいました。それが、時代の要求 だったのですね。  残念ながら、その流れは、もう止めることができません。現代においても、専 門奏者の技術レベルはますます高くなっていく一方ですから、作曲家たちも、そ ういう専門奏者にしか演奏できない、高度な技術を駆使しての音楽的可能性に、 無関心ではいられないでしょう。  夏に出版する予定の、パブロ・エスカンデさんの二重奏曲も、そういう作品で す。音楽的にはすばらしい。しかし、まぁほとんどのアマチュアには手が出せな いでしょうねぇ。  そういう作品も書かれるのは、もう仕方がないし、また、そういう作品にも存 在価値はあると思います。しかし他方、アマチュアにも演奏できるように書かれ ていながら、最高度の芸術性も兼ね備えるような音楽を作曲することが、不可能 なのかと言えば、決してそんなことはないのです。バッハのフーガのような、ボ ワモルティエの二重奏曲のような、やさしく演奏できる名曲だって、今後も、い くらでも生まれ得る。  そして、そういう「やさしく演奏できる曲」においても、専門奏者は、専門奏 者ならではのすぐれた演奏を行なうことができるものです。だって、ヘンデルや テレマンのような、「アマチュアにも演奏できる」曲においても、専門奏者の先 生がたは、やはり「さすが」と思えるようなすぐれた演奏を披露してくださるで はありませんか?  ですから、「曲がやさしくては、専門奏者の真価が発揮できない」なんてこと は、ないのです。アクロバットをひけらかすのが音楽家の価値でしょうか? そ うではないでしょう。本村睦幸先生もおっしゃっていました。「超絶技巧は嫌い。 そんなものはAIにでもやらせておけばいい」と。  そういうわけで、私は、作曲家たちが、なるべくならば「アマチュアにも演奏 できる名曲」をめざすスタンスを持ってくれるほうが、ヨリ音楽のためになるだ ろうと思っているのです。 (RJPディレクター 石田誠司) ------------------------------------------------------------------------  リコーダーJP メールマガジン                             125号 2018. 2. 24. ------------------------------------------------------------------------ 編集・発行 リコーダーJP http://www.recorder.jp info@recorder.jp ※このメールマガジンは、お申し込みにより配信しています。もしも間 違いやいたずらの登録により配信がなされている場合や、購読を停止 される場合は、リコーダーJPダイレクトの皆様ならば、お手数ですが、  上記 info@recorder.jp まで「メールマガジン不要」などの題でメー  ルでお知らせください。「まぐまぐ」からお申し込みいただいた皆様  は、  http://www.recorder.jp/magazine_mag2.htm  から配信停止のお手続きをお願いいたします。 ※リコーダーJPからの配信は「B.C.C.配信」です。