-----------------------------------------------------------------------  リコーダーJP メールマガジン                          112号 2017. 1. 24. ------------------------------------------------------------------------ ★ごあいさつ★  全国的にたいへん寒い日が続いています。みなさまお元気でお過ごしでしょ うか。  いつもご愛読ありがとうございます。RJPメールマガジン、第112号をお届け いたします。 RJP刊行物総合カタログ http://www.recorder.jp/rjpcatalogue.pdf ■目次■  <ごあいさつ>  1 サロン・ドゥ・螺 古楽シリーズ演奏会 (2/5 大阪)  2 カンタータ フランセーズ −愛のかけら (2/12 京都、2/14 東京)  3 本村睦幸「小さな室内楽」 テレマンのいろいろ(2/24 東京)  4 2017年2月の新刊  5 編集後記 ……………………………………………………………………………………………… ★1 サロン・ドゥ・螺 古楽シリーズ演奏会 (2/5 大阪) ………………………………………………………………………………………………  リコーダー&バロックフルート奏者・早川廣志さんと、チェンバリスト澤朱里 さんのコンサートです。会場のサロン・ドゥ・螺(ラ)がある「船場ビルディン グ」は、大正モダニズム建築で有形文化財に指定されているとのことです。  そして注目は、RJPの委嘱作品、森好美さん「幻想曲ふうソナタ」が演奏される ことです。 http://www.recorder.jp/events/170205.htm ……………………………………………………………………………………………… ★2 カンタータ フランセーズ −愛のかけら (2/12 京都、2/14 東京) ………………………………………………………………………………………………  フランス在住の音楽家が結成したアンサンブル「レ・フィギュール」の演奏会 です。京都公演・東京公演があります。 http://www.recorder.jp/events/170214.htm ……………………………………………………………………………………………… ★3 本村睦幸「小さな室内楽」 テレマンのいろいろ(2/24 東京) ………………………………………………………………………………………………  お馴染みの本村先生の「小さな室内楽」です。まだ詳細が発表されていないの ですが、次の号でお知らせするのでは間に合わない恐れが濃厚なので、見切りで ご紹介しておきます。チェンバリスト土居瑞穂さんとの共演で、テレマンのプロ グラムになる模様です。 http://www.recorder.jp/events/170224.htm ……………………………………………………………………………………………… ★4 2017年2月の新刊 ………………………………………………………………………………………………  2月は3タイトル(+1)がリリースになります。(+1は同一内容のA5版 製品です。) ■平野真奈 異なる音楽様式による5つの小品(2本のアルト) http://www.recorder.jp/sheet/f025.htm  吉澤実先生のご推薦で、RJPから出版するための書き下ろし作品です。バロッ ク様式、古典様式、ロマン派様式、フランス近現代様式、ロシア近現代様式とい う、5つの異なる様式によって書かれた、2本のアルトのための小品集です。 ■コレルリ トリオソナタ 第9番 http://www.recorder.jp/piece/2/2181.htm  コレリルが残してくれた宝の山、作品1〜4のトリオソナタ(全48曲)から、 第9番です。今回の第9番・ト長調のトリオソナタは、「第1番」いらい久々の 原調編曲で、内容的にも、傑作ぞろいの「作品1」のなかでも出色のものです。 ■マンチーニ ソナタ集 第1巻 http://www.recorder.jp/classic/sr/sr091.htm  ナポリ楽派の俊英、マンチーニのソナタ集から第1番〜第3番を収録しました。 ……………………………………………………………………………………………… ★5 編集後記 ………………………………………………………………………………………………  「オリジナル運指」のリコーダーというのがあります。  18世紀にほろんでしまったリコーダーをイギリスのドルメッチ一家が復興し たことはよく知られていますが、このとき定められたのが「イギリス式(バロッ ク式ともいわれます)」の運指でした。しかし、これも実はバロック時代のオリ ジナル楽器の運指とは、細かいところでいろいろな違いがあったのです。(たと えばむかしの楽器は「ミ♭」で右手人差指をふさがなかった。)  その後、ペーター・ハルランが定めた「ドイツ式運指」も登場しました。学校 教育ではいまだにこの運指によるソプラノ・リコーダーが幅を利かせているのも ご存知の通りです。  このような運指組織の違いは、ほぼ指孔の位置と大きさの調整によって生じる ものだそうです。  現在の主流はもちろん「イギリス式運指」のリコーダーであるわけですが、歴 史を巻き戻せるものならば、最初から「オリジナル運指」のリコーダーを復興・ 普及させるのがベストだった、ということになるのでしょう。若い専門奏者(つ まり古楽系リコーダー演奏の最先端の人たち)のなかには、バロック作品の演奏 には必ずオリジナル運指の楽器を用いることにしている人も、ぼつぼつ出てきて いるようです。  リコーダーの運指組織は、これから、果たしてどうなっていくのでしょうか。  ドイツでは今だに「ドイツ式運指」のアルトリコーダーも作られていますが、 日本のメーカーは、かなり前からアルトはすべて「イギリス式」しか作らなくな りました。そして、テナーリコーダー、バスリコーダーなどもすべて「イギリス 式運指」で製作されています。現在のメインストリームは、「イギリス式運指」 であると言って間違いないでしょう。  しかし、「古楽系リコーダー演奏」の最先端の人たちが「オリジナル運指」で 演奏するのが普通になってくれば(きっと普通になってくるでしょう)、コアな 愛好家もそれに倣うようになってくると私は思います。かつては専門家しか用い なかった「バロックピッチ」の楽器がちょっと高度なファンの間では「持ってい て当たり前」のものになりつつあるのと同じように。  なにしろ「昔と同じように」ということが、古楽の世界ではとても大切な価値 だと考えられていますからね。「バロック作品には、オリジナル運指で演奏する ことでしか触れられない真髄がある」なんて言われたら、コアな愛好家の多くは、 どうしたって、それに抗い切ることはできないでしょう。  ドイツ式運指が学校で教えられているせいで惹起されてきた問題もまだまだ解 決しきっていないのに、そこにさらに「オリジナル運指」が割り込んで、ますま す情勢は混沌としてきそうです。  仕方がないんでしょうかね。 (RJPディレクター 石田誠司) ------------------------------------------------------------------------  リコーダーJP メールマガジン                             112号 2017. 1. 24. ------------------------------------------------------------------------ 編集・発行 リコーダーJP http://www.recorder.jp info@recorder.jp ※このメールマガジンは、お申し込みにより配信しています。もしも間 違いやいたずらの登録により配信がなされている場合や、購読を停止 される場合は、リコーダーJPダイレクトの皆様ならば、お手数ですが、  上記 info@recorder.jp まで「メールマガジン不要」などの題でメー  ルでお知らせください。「まぐまぐ」からお申し込みいただいた皆様  は、  http://www.recorder.jp/magazine_mag2.htm  から配信停止のお手続きをお願いいたします。 ※リコーダーJPからの配信は「B.C.C.配信」です。