-----------------------------------------------------------------------  リコーダーJP メールマガジン                          109号 2016. 10. 22. ------------------------------------------------------------------------ ★ごあいさつ★  またしても大きな地震で‥‥被災されたかたに心からお見舞い申し上げます とともに、少しでも被害が食い止められることを心からお祈りしております。  いつもご愛読ありがとうございます。RJPメールマガジン、第109号をお届け いたします。 RJP刊行物総合カタログ http://www.recorder.jp/rjpcatalogue.pdf ■目次■  <ごあいさつ>  1 本村睦幸「小さな室内楽・リコーダーデュオの楽しみ」(11/2 東京)  2 古楽器の調べ バロックの午後 [プチ・フール] (11/5 大阪) [訂正再掲]  3 ゆかいなゆかいな音楽会 [神谷徹&春日井R.E. (11/5 愛知) {再掲}  4 リコーダーの花束 [フローエ・フラウ・フレーテ] (11/11 大阪) [再掲]  5 木の温もりコンサート[ブロックフルーテよつば] (12/17 愛知)  6 アイスペース (IJ SPACE) 演奏会 (12/27 東京)  8 2016年11月の新刊  9 編集後記 ……………………………………………………………………………………………… ★1 本村睦幸「小さな室内楽・リコーダーデュオの楽しみ」(11/2 東京) ……………………………………………………………………………………………… 本村睦幸氏の「小さな室内楽」の第20回は、宇治川朝政氏とのリコーダーデュ オです。オトテール、ボワモルティエ、サンマルティーニ(兄)の諸作品。 http://www.recorder.jp/events/161102-2.htm ……………………………………………………………………………………………… ★2 古楽器の調べ バロックの午後 [プチ・フール] (11/5 大阪) [訂正再掲] ………………………………………………………………………………………………  リコーダー奏者・財前奈緒子さん、チェンバリスト山下佐智子さんらのグルー プ「プチ・フール」のライブ。財前さんの美しいリコーダーが、これ以上ないと いう名曲でたっぷりと聴けそうです。  ※ 前号でご紹介した日付が間違っていました。メルマガからのリンクも   切れていました。お詫びして訂正いたします。11月5日(土)です。 http://www.recorder.jp/events/161102.htm ……………………………………………………………………………………………… ★3 ゆかいなゆかいな音楽会 [神谷徹&春日井R. E.] (11/5 愛知) [再掲] ………………………………………………………………………………………………  リコーダー演奏家としてよりも「ストロー笛」で有名になってしまった神谷徹 先生と、春日井リコーダーアンサンブルの、老若男女だれでも楽しめるコンサー トです。 http://www.recorder.jp/events/161105.htm ……………………………………………………………………………………………… ★4 リコーダーの花束 [フローエ・フラウ・フレーテ] (11/11 大阪) [再掲] ………………………………………………………………………………………………  女性ばかりのリコーダートリオの演奏会。リコーダー奏者・松浦孝成先生の指 導を受けていらっしゃるとのことです。 http://www.recorder.jp/events/161111.htm ……………………………………………………………………………………………… ★5 木の温もりコンサート[ブロックフルーテよつば] (12/17 愛知) ………………………………………………………………………………………………  名古屋で2012年から活動を開始されたというアンサンブルの演奏会。親しみ やすい曲を並べたプログラムです。 http://www.recorder.jp/events/161217.htm ……………………………………………………………………………………………… ★6 アイスペース (IJ SPACE) 演奏会 (12/27 東京) ………………………………………………………………………………………………  アムステルダム音楽院の同窓音楽家たちによる演奏会です。バロックの定番 に加えて、オランダの現代作品や、気鋭の若手作曲家・佐原洸氏の新作の日本 初演も行なわれる興味深いプログラム。 http://www.recorder.jp/events/161227.htm ……………………………………………………………………………………………… ★7 2016年11月の新刊 ………………………………………………………………………………………………  11月は2タイトル(+1)がリリースになります。(+1は同一内容のA5版 製品です。) ■マンチーニ アルトリコーダーソナタ 第3番 ハ短調 http://www.recorder.jp/piece/2/2180.htm  ナポリ楽派の作曲家マンチーニの12曲セットのソナタ集より第3番です。がっ ちりとした4楽章構成の本格派作品。 ■G. Ph. テレマン ソナタ集 第6巻 http://www.recorder.jp/classic/sr/sr090.htm  テレマンの「装飾範例つきソナタ」より、第7番・第8番・第9番(続編の 第1番から第3番)を収録しました。原作は「横吹きフルートまたはヴァイオ リンと通奏低音」で、本書はアルトリコーダー用の移調編曲版です。 ……………………………………………………………………………………………… ★8 編集後記 ………………………………………………………………………………………………  久しぶりに昔の勤め先の先輩と再会しまして、ゆっくりと飲み交わす機会があ りました。お互いに「声とか変わらないね、お腹は出たけど(あと石田は頭が薄 くなったけど)」と。  で、名詞がわりにと思って、以前発売して山ほど売れ残っている「MIDIピアノ」 (モーツァルトのピアノソナタなど)のCDをプレゼントさせてもらったところ、 何日かのちに聴いてみてくれて、驚き感心したと言ってくれました。  まぁ先輩は音楽に特別に詳しいというほうではなさそうなのですが、モーツァ ルトは以前から好きだという話なので、それならまぁ楽しんでもらえるんじゃな いかな、ぐらいには思っていましたが。  もっとも、後でよく聞くと「えっ、なんだ、指で弾いてるんだと思ってた」と 言うので、「指でこんなに弾けたらコンクールに出てますよ」と大笑い。「今は、 ピアノの音じゃなくてもっぱらチェンバロの音で、リコーダー用のカラオケを作 っています」と説明しておきました。  「MIDIピアニズム」には、明白な限界があって、音色の美しさと変化の多彩さ というのが、どうしてもナマ楽器とは次元が違いすぎます。「なんだ、この貧弱 な音色、それに音色の変化もサッパなくてモノトーンじゃないか」ということに なりやすいのです。とくに、「冷静で、かつ好意的でない聴き手」にかかると、 ダメですね。  そこで、それにもかかわらず、できるかぎり「音楽」を成立させるためには、 いわば、フォルムの力で音色の問題を乗り越えなければなりません。  とても難しいことなのですが、いわば、聴き手に錯覚してもらえるかどうかな のです。フォルム(フレージング、アーティキュレーションや、強弱やアゴーギ ク・ルバートなどの次元のことです)の彫琢が、説得力のある音楽表現のために 徹底的に磨かれたとき、聴いてくれている人の耳に、「聞こえるはずのない音」 が聞こえる‥‥聞こえさせる‥‥ことも、あり得るのではないか、という可能性 に、私は自分の演奏の存在意義を賭けていました。  たとえば、輝かしい場面では、本当を言えば楽器は輝かしい音色で鳴っている のでなくても、聴いてくれている人の耳には、あたかも輝かしい音色で鳴ったよ うに聞こえるとか、ピアニシモでそっと弾かれたモチーフが、本当はやわらかな 音色で鳴っているのでなくても、やわらかな音色で弾かれたように聞こえる‥‥ といったような現象です。  そういう現象を「フォルムの力で」聞き手の耳に引き起こせなければ、MIDIピ アノによる演奏は音楽になれない。果たして自分の演奏は、どうだろうか。  その答えは、今もはっきりしません。信頼するに足る音楽家・音楽愛好家で、 大絶賛してくれた人もいれば、私の試みを快く思わず、何だこんなものと冷笑し た人もいました。  ただ(ここでやっとリコーダーの話になるのですが)、リコーダーの演奏‥‥ に限らず、音楽演奏では、実はこういうこと(つまり聴き手の錯覚)は、つねに 起きているし、大なり小なり、必ずそれに依拠しているものだと言えます。  たとえば、リコーダーは音の強弱幅があまり大きくないということは、皆さん ご存知のとおりです。しかし、すぐれた演奏では、フォルテの力強さもピアノの やわらかさも、十分に伝わってきます。それはもちろんシェーディングだの替え 指だのによって本当に強弱をつける技術も目一杯用いられているとしても、実は それは従たる重要さしかないのではないか。すぐれた演奏では、広い意味で言う 「フレージングの力」で、聴き手が音楽の強弱変化を「感じさせられてしまって いる」という面のほうが、ヨリ重要なのではないか、と私は思います。  極端な話、アルトリコーダーは、本来、「低いミ」が出せません。しかし、 ほかの楽器のための曲をリコーダーで演奏しようという場合、「低いミ」が出て きてしまうことがありますね。それを何とか演奏するために、ある程度の前後 の部分と一緒に1オクターブ上げたり、「低いミ」をほかの音に変えたり、いろ んなことをしますが、場合によっては、いっそのこと「吹かない」という編曲を することもあります。  あるとき、楽譜を買ってくださったお客さまから電話がありまして、 「低いミが出てきますが、これはどうするんですか」 というお尋ねです。 「あきらめる、ということです」 とお答えしたあと、 「いわば、気合いで“聞こえたような気にさせる”ということです」 と私は付け加えました。 私は、本気でそう言ったのです。そのお客さまは、あきれて笑っていらっしゃい ましたが。 (RJPディレクター 石田誠司) ------------------------------------------------------------------------  リコーダーJP メールマガジン                             109号 2016. 10. 22. ------------------------------------------------------------------------ 編集・発行 リコーダーJP http://www.recorder.jp info@recorder.jp ※このメールマガジンは、お申し込みにより配信しています。もしも間 違いやいたずらの登録により配信がなされている場合や、購読を停止 される場合は、リコーダーJPダイレクトの皆様ならば、お手数ですが、  上記 info@recorder.jp まで「メールマガジン不要」などの題でメー  ルでお知らせください。「まぐまぐ」からお申し込みいただいた皆様  は、  http://www.recorder.jp/magazine_mag2.htm  から配信停止のお手続きをお願いいたします。 ※リコーダーJPからの配信は「B.C.C.配信」です。