リコーダーJP G. サンマルティーニ


ソナタ 変ロ長調
シブレー写本 第20番


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★この曲を収録した伴奏音源つき楽譜★
ダウンロード製品 620円(税込)



★解題★

 サンマルティーニの通奏低音つきソロソナタばかり27曲を集めた、「シブレー写本(Sibley Manuscript)」と呼ばれる筆写譜があります(ロチェスター大学所蔵)。このうち15曲がリコーダー用のソナタで、最大の数を占めています。(ほかはオーボエ用、ヴァイオリン用、横吹きフルート用など。)

 サンマルティーニのリコーダー用ソナタの出版作品はあまりたくさん残っていませんので、これが貴重なソースになっています。


★解説★

 3つの楽章から成っています。どの楽章もすばらしく充実した名品です。

 第1楽章はアレグロ(生き生きと)、4分の4拍子です。上行分散和音音型で始まる力強い主題で始まりますが、突如、短調の早口なパッセージが雰囲気を変え、シンコペーションのリズムを含むひろびろとした感じの第二主題を導きます。前半部の収束は、「リコーダーが高音保続音(高いドの連打)を含む分散和音、低音はシンコペーションのリズムで係留音をともないつつ音階的に下降」という独創的な音楽。後半は第1主題をヘ長調で示して始まって、変化に富む音楽をくりひろげますが、第2主題のモチーフが重要な役割を果たします。

 第2楽章はアダージョ(ゆっくりと)、4分の4拍子で、主調・変ロ長調の平行短調であるト短調の楽章です。1小節の1拍目に3音の重音が書かれているのは、ヴァイオリンで演奏する場合のための音でしょう。リコーダーでは一番上の「ソ」を吹いておけばいいと思います。付点リズム、三連リズム、そして32分音符によるモチーフなど多彩なリズムを駆使して、大きな感情の起伏を描いていきます。

 第3楽章は再びアレグロで、4分の2拍子、スピード感あふれる颯爽とした終曲で、下降音階を含むくっきりとした輪郭のテーマで始まります。この「音階的下降」は、楽章を通じて大きな役割を果たします。ヘ長調の第二テーマは経過句のような軽い印象のもので、やがて16分音符による華やかなパッセージを導きます。後半は主題の材料を用いながら語り進めますが、前半には現れなかった三連リズムを導入して、かなり活躍させています。



※演奏例がお聴きいただけます

第1楽章(C−2)
第2楽章(C−1)
第3楽章(C−2)

※カッコ内は指回り難度です。
※リコーダー演奏:
石田誠司  チェンバロ演奏: 石田誠司 (使用楽器はRJP所有のデジタルサンプリング音源)


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