リコーダーJP J.S.バッハ作品


ソナタ ホ短調 BWV1034


全曲ノーカットで試聴できます
(YouTubeのリコーダーJP応援チャンネル「リコーダーの底力」)


★この曲を収録したCDつき楽譜★

SR-028 リコーダー用  3800円+税
1019 リコーダー用 1800円+税
SF-004 フルート用 1800円+税
SF-024 フルート用 3800円+税


RB-019 リコーダー用  900円+税 (絶版)



★解題★

  ケーテン時代(1717-1723)に書かれたものと考えられており、4楽章から成る力のこもった作品です。第1楽章の深い感情表現から第2楽章・第4楽章の建築性と精神性の高い姿、第3楽章のかすかにユーモラスな暖かさまで、どの楽章の出来映えもすばらしい、フルートソナタの名作です。


★解説★

 曲は4つの楽章から成っています。

  第1楽章はアダージョ・ノン・タントで、ゆっくりではあるがひきずりすぎないテンポが求められています。細かくスラーが指定された16分音符を中心とする動きで歌っていきますが、意外な音に飛ぶ大きな跳躍進行を含む旋律線はバッハに特有の面白さです。

 第2楽章はアレグロ(快活に)で、フーガふうに主題を提示したあと、音楽はしだいに細かな動きが多くなり、やがてトッカータふうの軽妙な運動性の音楽となります。その細かな動きの独奏楽器をオブリガートとして今度は低音に長調で主題が戻ると(24小節)、独奏楽器が5度上の調で答えるなど、フーガ的な手法はこの後も随所に取り入れられ、低音と独奏楽器が緊密に協力して大きな建築物としての音楽を築き上げるなか、情緒の上でもクライマックスに達していくさまは見事というよりありません。

 第3楽章はアンダンテ(歩くように)で、あたたかで一抹のユーモラスさも持った主題を自由に変奏するようにしながら音楽が進みます。フレーズの終わりにはカデンツァふうの自由に奏される部分が何度か差し挟まれますので、場合によってはここは自分なりの別なフレーズを考えて吹いてもいいのかも知れません(バッハはあまり勝手に変えて欲しくないのでカデンツァまで全部書いたわけでしょうけれど)。

 第4楽章は再びアレグロで、前半に主題が二つあり、リピートされます。後半では第一主題の反行を取り扱うことから始まって「展開」ふうの内容が続きますが、第2テーマが再現とも展開とも決めがたい感じで扱われたあと、音楽は前半部分で耳に馴染んだフレーズへとしだいに回帰し、やがてはっきりと第1テーマが復帰したときには、それは音楽の末尾になっています。スピード感があり、強弱の指定による効果も迫真の効果を持つ、すばらしい終曲です


※演奏例がお聴きいただけます

■リコーダーによる演奏(ト短調)
第1楽章 B−2
第2楽章 C−3
第3楽章 B−2
第4楽章 C−3
※カッコ内の表記は指回り難度です
※リコーダー演奏: Maria Fogel さん  チェンバロ(電子楽器)演奏: 石田誠司


■フルートによる演奏
第1楽章
第2楽章
第3楽章
第4楽章
※フルート演奏: 大塚由貴  チェンバロ(電子楽器)演奏: 石田誠司


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